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二人目の不妊

二人目の不妊

一度も妊娠経験がない場合を「原発性不妊」といいます。
一方一度でも妊娠歴がある場合を 「続発性不妊」 といいます。
不育症は流産を繰り返し、生児が得られない場合をいい、 2回流産を反復流産、3回流産を習慣流産といいます。
続発性不妊の一形態ですね。

俗に言う「二人目不妊」は流産歴の有無は問わず、一人お子さんがいて、その後次のお子さんがなかなかできない状態をさしますね。
これは、続発性不妊の一種になります。 前回の出産後に母乳をあげている期間が終了してから不妊期間としてカウントします。
(3年前に出産して、1年間母乳をあげていたら不妊期間は2年間となりますね。)
一般的には2年間避妊をせずに普通に夫婦生活を続けていれば約90%が妊娠すると言われているので、上記不妊期間が2年間ありなかなかに妊娠に恵まれない場合は「二人目不妊」と考えてよいかと思います。

一人目を妊娠、出産しているという証拠があるので基本的には妊娠する可能性が高いのですが、やはり 一般不妊症検査は必要かと思います。
「一人子どもを出産しているからそのうちできるよ」と様子をみることが普通なので、前回の妊娠から5年以上経過している場合も多いです。
基本的にはタイミング法から開始し、ステップアップを行っていきます。これは原発性不妊症と同じですね。
ただ、最近の晩婚化と、時間が経過しているためさらに高齢となっていることが多く、原発性不妊よりも治療は急ぐ場合があります。

二人目不妊の原因は?

原因として以下のようなことが考えられます。

  • 年齢の変化
  • 卵管環境の変化
  • 排卵機能の変化
  • 子宮環境の変化
  • 本来は不妊症
  • 相手が変わった

それぞれについて見ていきましょう。

  • 年齢や生活環境の変化

    前述の通り一人目出産から数年の時間が経過しています。
    お二人目は35歳を越えている場合も多く、一般的な年齢の変化が関与している可能性があります。
    35歳以上を高齢妊娠とされますが、なにも1年や2年で急に変化するわけではなく個人差もあります。
    しかし、統計的に卵子の質の低下と卵巣の機能低下は年齢とともに進んできます。
    排卵誘発剤に対する反応性も低下して、発育する卵胞の数も減少してきます。
    また、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣腫瘍などの婦人科疾患の増加も関与してきます。 妊娠したとしても、30歳代後半~40歳代は流産率も上昇していきます。
    男性の場合は60歳でも子どもを作ることは可能で、女性ほどは加齢の変化はないとされています。
    しかし、年齢が上がると仕事面なども含めて、いろいろな意味でのストレスの増加が不妊症に関係してくるかもしれません。
    仕事上のストレスの増加などは女性の場合にもあてはまるかと思います。
    また、夜の夫婦生活の変化も関係しているかもしれません。

  • 卵管環境の変化

    第1子が普通に授かったのであれば、おそらく子宮卵管造影は行っていないので断定はできませんが、クラミジアや子宮内膜症で元々卵管の片方が閉塞している状態で前回の妊娠が成立し、その後時間の経過でもう片方の卵管が閉塞や癒着でうまく機能しなくなると妊娠成立が難しくなります。 第1子出産後の新規の細菌感染(クラミジアなども含めて)などによる卵管因子も原因として考えられるかもしれません。

  • 排卵機能の変化

    第1子出産後に月経が変化することがあります。
    月経痛や月経不順が改善したと良い方向への変化もありますが、逆に不規則になってきたなどの変化もあるようです。
    不規則となると排卵がうまく行われていない他、性交のタイミングもあわせにくくなります。
    また、第1子分娩時にショックを起こすほどの大出血があると、出血性の下垂体機能不全が発生し排卵障害を起こすこともあります。

  • 子宮環境の変化

    産褥期(お産後時期)に子宮内感染を起こしたり、第1子分娩後に流産手術や中絶手術を複数回受けて子宮内腔が癒着などの変化を起こしている場合もあります。
    また、第1子が帝王切開だった場合は手術後に癒着や子宮切開部位の影響で子宮内環境が変化しているかもしれません。
    (帝王切開後に子宮環境の変化は滅多におこりません。2人でも3人でも妊娠できます。そのへんは誤解のないように・・・)

  • 本来は不妊症

    何回もIVF-ETを行ったけど、妊娠に恵まれずにいた方が、しばらく治療を休んでいるときに自然妊娠で子供を授かったという話もありますよね。
    この場合なかなかできにくい状況にあったのがたまたま妊娠して、出産したと考えられます。
    このたまたまの妊娠が最初に発生すれば、その後不妊の様に見えても実はもともとが不妊症だったということになります。
    染色体異常の保因者も精子や卵子の形成過程の状況によっては、染色体異常でない児が生まれることも当然あります。
    その後の妊娠では染色体異常がつづき、目に見える形での流産や気づかれないうちの流産が発生し「なかなか妊娠しないなあ」ということになっている可能性もあります。

    ※染色体異常の保因者:表現形(見た目や行動など)は正常でも染色体異常を有している人。
    カップルのうちどちらかが保因者であると、卵子や精子を形成する過程で染色体異常が発生し、致命的な染色体の異常だと受精後に分裂が止まったり、ある程度発育しても流産となったりします。

  • 相手が変わった

    第1子の出産後、夫の死亡や離婚があり、パートナーが変わったことで不妊症となっていることがあります。
    「前回ひとり生んでいるので、原因は夫のせいではないか・・・」と解釈されがちですが、お互いの免疫学的相性が合わない場合(抗精子抗体などの免疫因子による不妊症)もあるかと思います。
    2度目の結婚の前に別の彼氏がいて卵管因子を引き起こす可能性があるクラミジアなどの感染症をもらっていたり、現在のパートナーがそのような感染症を持っていたなど背景にいろいろな問題が隠れている可能性もありますね。