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花粉症

花粉症

毎年春先になると、花粉症に悩まされる人が大勢います。日本ではここ20年ほどの間に花粉症の人が増加しており、その数は日本人口の20%弱、1500万人前後にも上るといわれています。

花粉症になると、くしゃみや鼻水が出たり、鼻がつまったり、目がかゆい、涙が出る、目がゴロゴロする、などの症状が現われます。いつも目や鼻がグシュグシュしているので集中力が低下したり、体がなんとなくだるかったりして、「花粉症のシーズンになるとユウウツだ」という人も多いようです。そのほか、のどや皮膚のかゆみ、咳、頭痛、微熱が出る、などの症状がみられることもあります。

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の原因

花粉症は免疫の過剰反応
人間の体は外部から異物(抗原)が侵入すると、これらに反応する物質(抗体)が作られます。ここまでは免疫の正常な働きですが、IgE抗体を作る能力を持っている人を花粉アレルギー体質と言います。逆に言うとlgE抗体を作らない体質の人は花粉症になりません。しかしIgE抗体を持っているからといって直ぐに花粉症になるわけでもありません。IgE抗体を持つ人は、花粉を吸い続けてIgE抗体が作られた量がある一定のレベルを超えたとき発症します。「ある一定のレベル」には個人差があります。
IgE抗体が反応するのは特定の花粉に対してなので、その花粉が身体に侵入しないような環境で生活をすれば、花粉症を発症しないまま一生を終える人もいます。ただし、いつでも発症する可能性のある予備軍と言えます。

IgE抗体は血液とともに全身に行きわたり、全身に分布しているマスト細胞(肥満細胞)と言う特殊な細胞の表面に付着します。マスト細胞はそのときIgE抗体からの信号を受け、ロイコトリエンやヒスタミンなどの化学物質を大量に放出します。ヒスタミンは、くしゃみや鼻水の分泌をおこします。ロイコトリエンが鼻の血管に作用すると鼻がづまり、目の血管に作用すると、かゆみや涙といった症状が現れます。これらの花粉症の症状は、本来なら全て異物が体内に入って来ようとするのを、入り口でストップさせるための防御反応なのです。つまり花粉症の症状は、入ってきた花粉をくしゃみで吹き出し、鼻水で洗い流し、鼻づまりでこれ以上は入らないようにして、異物から体を守っていることの表れなのです。

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)症状

鼻の三大症状だけでなく、目の症状(かゆみ、なみだ、充血など)を伴う場合が多く、その他にノドのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることがあります。
(さらに、シラカバ、ハンノキ、イネ科花粉症などの人がある果物や野菜を食べると、口の中がかゆくなり、はれたりする「口腔アレルギー症候群」という症状もあります。)

花粉症になると鼻、口の中、のどの奥、眼などがかゆくなります。この症状は、徐々に始まることも、突然始まることもあります。薄い鼻水が出て鼻が詰まり頻繁にくしゃみが出ます。また涙が出て眼がかゆくなり、白眼とまぶたが赤くなったり、まぶたが腫れたりします。コンタクトレンズを使用していると眼はいっそうゴロゴロします。鼻の粘膜は腫れ、青みがかった赤色になります。その他の症状としては頭痛、せき、ゼイゼイいう息切れ、過敏症などがあります。まれに、うつ病、食欲不振、不眠症になることもあります。

季節性アレルギーのある人の多くは喘息を伴い、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎を引き起こすのと同じアレルゲンが原因で、ゼイゼイいう息切れを起こします。

季節性アレルギーの診断は、症状と発症の状況、つまり、特定のシーズン中に発症しているかどうかで判断されます。この情報は医師がアレルゲンを特定する際にも役立ちます。鼻水を検査して、アレルギー反応の結果として多量に生成される白血球中の好酸球がどのくらいあるかを調べます。皮膚テストは、診断およびアレルゲンの特定に役立ちます。

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の治療

東洋医学の鍼灸治療は、花粉症のくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの不快な症状の緩和に優れた効果を発揮するだけでなく、治療を継続的に行なうことにより、身体に元来備わっている自然治癒力を強化し、副腎ホルモンの働きを高めて、アレルギー体質を根本的に改善していくことができます。

花粉症患者の組織内肥満細胞表面のIgE抗体産生と、IgE抗体に抗原(花粉)が結合するを抑えると考えられます。

健康堂の花粉症鍼灸治療の臨床経験:

  1. 初期治療は「花粉が飛び始める2~4週間前から」始めるのがグッド・タイミングです。1~2月に治療を開始し、あらかじめ体の免疫力を向上させIgE抗体の産生を抑制しておきましょう。また治療をシーズン中続けることが大事です。
  2. 当院の鼻三鍼、トウ氏奇穴など独特な鍼灸治療を取り組み、治療後、目のかゆみ、異物感、充血、むくみ、涙が止まり、鼻詰まりが解除されます。かなり即効性のある治療法です。対症療法しか効果ない薬と違って、眠くなるような副作用もないです。

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の自己ケア

  • お風呂に入り体を温め、できるだけ体の冷えを取るようにする。

    お風呂に少し塩を入れることによって、さらに保温効果が高まります。

  • 水分摂取を控えめにする。

    水分の取りすぎは体を冷やしてしまいます。たとえ、温かいお茶であってもです。
    私たちの体は常に36.5度程度に保たれてます。温かいお湯でも、そのままにしておくと部屋の温度と同じになります。ですので、余分な水分はそれだけ体から熱を奪うことになります。
    体が冷えた際、おしっこをしたくなるのは、余分な水分を体の外に出して、体熱を逃さないようにするヒトの恒常性維持(ホメオスタシス)によるものです。
    ペットボトルで冷たい水をがぶがぶ飲むのを控えましょう。

  • 鼻うがいをする。

    温かいお水に一握りの塩を加えます。鼻からススリ、口からだします。
    塩を入れ、ぬるま湯にすることで、鼻水により近い状態になりますので鼻にツーンと来たりしません。是非一度試していただければと思います。

  • 蒸しタオルで目・鼻の周りと首の後ろを暖める。

    タオルを水に濡らし、よく絞ったものを電子レンジに入れ、暖めます。
    少し冷まして適温になったら目・鼻・首にあてる。