仙腸関節症候群と矯正治療 2022年11月8日更新!

2012/10/02
こんばんは、冷です。
最近治療した「仙腸関節症候群」について、話したいと思います。
「仙腸関節症候群」は聞きなれない用語と思いますが、実際腰痛症の中、一割くらいは「仙腸関節症候群」と言われてます。「椎間板ヘルニア」、「筋膜性腰痛」に比べると、認知度がかなり低いです。
腰の関節には、骨盤と腰椎があります。骨盤の関節のことを「仙腸関節」といい、腰椎の関節のことを「椎間関節」と呼んでいます。
骨盤の関節(仙腸関節)が原因で足に痺れが起こっている状態を「仙腸関節症候群」、腰椎の関節(椎間関節)が原因で足に痺れが起こることを「椎間関節症候群」といいます。

まず、関節を痛めてしまうことから始まります。
よく見られるのは、重たいものをもって捻ったり、つまずいて腰を痛めたりしたことにより腰の関節に無理がかかってしまうことです。
悪い姿勢による慢性的な負担で起こることもあります。
また妊娠中や産後には骨盤の開きが起こったり、重心が変化することによって起こることもあります。

症状の成り立ちとしては
●骨盤、もしくは腰椎の関節を痛める(まず腰痛が起こる)

●関節が過敏になる

●足にジワジワとした痛みのようなものが起こる(主に太もも裏やお尻、ふくらはぎなど)

症状としては
●腰痛がある。

●じわっとした、重だるいような鈍い痺れが足の方に起こる。

●痺れは主にお尻や太ももの裏に感じることが多い。ふくらはぎに感じることもある。

●身体を前屈、もしくは後屈するの姿勢が続くと、腰痛や足の痺れが悪化することがある

治療例

 Cさん、31歳、女、教員、授業中、長時間立つと子供(障碍児)を抱っこすることにより、腰痛が悪化、臀部と足の痺れで来院
 検査: 左中殿筋、左ハムの過緊張、左仙腸関節の圧痛、(腫れと熱感などの強い炎症反応なし)
      
      SLR陰性、前屈の姿勢が続くと腰殿部の痛みが増悪、左ハムとひ腹筋の痺れ

      左股関節の屈曲変位、左PSISのIN(内側)変位

治療 一回目
 中殿筋とハム、双子筋、大腰筋、ひ腹筋中心でマッサージ
 左股関節の矯正で股関節の痛みはすぐに解消した。
仙腸関節はを矯正で痛みは軽減した。
矯正中に仙腸関節付近がポコポコと音がするのが気なった。

二回目 (初診から4日後)

股関節の痛みは消失していた。
INの矯正仙腸関節は大きな痛みは無いが、まだスッキリしない、違和感がある。

三回目 (初診から10日後)
学校の仕事が忙しくなり、立つと子供を抱っこすることが増え、足の痺れが増悪
仙腸関節の矯正以外、ハムと腸径靭帯、ひ腹筋を入念にマッサージ

四回目 (初診から20日)
股関節の痛みは消失していた。
INの矯正で仙腸関節は消失、ひ腹筋まだ痺れような違和感が残る。
日常生活の支障がなし
その後、一ヶ月1~2回程度でメンテナンスのため、まだ通院中

まとめ
診断
人によっては下肢の大腿部や足首に関連痛を感じ、むしろ関連痛部位を苦痛として感じる者がおり、診断を難しくさせている。
ただし関連痛部位には圧痛所見はないこと、仙腸関節部に顕著な圧痛があること、静的腰痛(同じ姿勢を続けていると痛む)であることなどから、本症であることを推察できる。なおパトリックテストは正常であることが大部分で参考にならない。
治療
仙腸関節症候群・には、整体、カイロプラクティック治療が有効です。
原因となっている骨盤や腰椎を調節して整え、原因から治療していきます。

比較的早い改善が見込まれることが多いですが、骨盤がゆるんだ状態だと骨盤の固定のために治療期間が延びることもあります。病状の期間が長い場合は痺れあるいは違和感が残り、完全に取れるのは時間がかかることもあります。