むち打ちと鍼灸治療

2022/09/02

むち打ち症

交通事故による外傷は、主に打ち身・捻挫・骨折・頭部外傷などがあります。
その中で、もっとも代表的な傷害で賠償上の問題を多く含むのが「むち打ち(損傷)症」です。
これは、正式な診断名ではなく俗称です。
診断名は通常は「外傷性頚部症候群」あるいは、軽いものでは「頚部捻挫」となります。
衝突時、首が前後にムチのようにしなることから、また、乗馬で馬の尻にムチを当てると馬が驚いて前に飛び出し、そのとき頭が後ろに放り出されてその後首の痛みが続くということからむち打ちと呼ばれるようになったようです。

「むち打ち症」の起こり方

「むち打ち症」の起こり方は、大きく分けて正面衝突、側面衝突、追突によるものがあります。
人間の首の動きの正常範囲は、一般的に前後方向ともに60°程度とされています。
その運動範囲以上に屈めたり(屈曲)伸びたり(伸展)した場合、首の周辺の組織(軟部組織・・骨を囲んでいる靭帯など)が伸びたり切れたりしてむち打ちの症状がでるのです。
中でも、後方より衝突された「追突」によるものが、むち打ち症の全体の90%を占めるといわれています。

正面衝突の場合は、首はまず前に強く曲げられ(屈曲)、その後伸展することや、一般的に危険を予知出来る場合が多いので、首の筋肉が緊張状態になり、伸展や屈曲を筋肉の力で減らすことが出来ることから比較的軽度のむち打ち症状で済みます。

それに比べて追突の場合は、まず先に後ろへ強く伸展し、その次に屈曲することになります。
全く危険予知していないことが多いので、首の筋肉は弛緩していて、軟部組織(靭帯)のみに過大な力が加わり、損傷が起こり易くなります。

また、そのような過伸展・過屈曲(正常な可動範囲を超えて伸展、屈曲が起こること)がなく振れは小さくても、衝撃が大きければむち打ち症状は起こりうるとも言われています。

次に、側面に衝突された(側突)場合は、首は先に衝突を受けた側に強く曲げられ、次に反対側に動きます。
側突の場合は、頭、頸が肩に当たるまで側屈しますが、それ以上は曲がりません。
この場合、角度によっては複雑で多彩な損傷を受けることになりますが、重度になると引抜き損傷といって、脊髄神経が引抜かれてしまうことがあります。
自動車が側面から衝突を受けると、乗員の体は衝突受けた方向に強く曲げられ、次に反対側に動きます。

「むち打ち症」の鍼灸治療

 むち打ち症に対し、電気治療と手技療法でなかなか改善しないケースもあります。その時、鍼灸治療をお勧めします

鍼灸治療には様々な流派が有り、鍼灸院毎に鍼灸治療の仕方が全く異なります。

健康堂では、東洋医学に基づいて経絡治療という方法で鍼灸治療を施しております。経絡治療は、脈診して、脈診から得た情報を東洋医学的な判断を行います。

自律神経、内臓の働きの乱れを整え、患部の治療も進めていきます。ムチウチという名称にとらわれることなく、どんな症状でも全身の調子を整えつつお悩みの症状を治療していきます。首が痛いからといって首ばかりに鍼を刺すことはありません。首ばかりに治療をすると却って悪化させてしまうこともあります。整形外科での首の牽引治療で却って症状が悪化する方が多くおられるのはその一例です。
 経絡治療では、ムチウチなどお身体の不調の原因は五臓六腑の『虚弱、冷え』にあると考えています。ここでいう『冷え』という言葉は物理的に冷たいというだけのことではありません。簡単に書くと生命力の低下です。鍼灸治療を施すことにより、身体を芯から温め、冷えを取り、症状をとっていきます。
 むち打ち症のような外傷はお身体を冷やす大きな原因になります。きちんと治療しておかないと時間が経過するほど後々、様々な病気や症状の原因となってしまいます。症状だけを取る対症療法ではなく、きちんとお身体を根本から治療を行う鍼灸治療をお勧めいたします。
 病院での治療で改善しなかった時や早くつらい症状から解放されたい時などむち打ち症でお悩みの方は、当院の鍼灸治療をお勧めします!

 

 

                  健康堂 久我山院

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