変形性膝関節炎なら鍼灸が効きますか? 2023年1月29日更新!

2008/10/15
変形性膝関節症は膝関節の軟骨がすり減り、関節炎や変形を生じて、痛みなどが起こる病気です。
 膝関節は関節の中で最も複雑なしくみになっており、曲げ、伸ばし、適度なねじれといった動きに加え、身体の大きな荷重を受けながら、かつ高い安定性を保つ、という働きを担っています。
 正常の膝関節では関節の表面は軟骨で覆われています。弾力性に富んだ組織からなる軟骨は、衝撃を和らげたり、関節の動きを滑らかにしたりしています。 また、関節液は軟骨の成分の1つであるヒアルロン酸を含んだ粘りのある液体で、膝関節がスムースに動く潤滑油と軟骨の栄養の役割を果たしています。 

 初期の変形性膝関節症では、軽度の関節軟骨の磨耗が生じますが自覚的な症状はほとんどありません。
軟骨の磨耗がある程度すすむと(中期)、膝の曲げ伸ばしや立ち上がり、歩行時の膝にかかる負担の増加および軟骨、半月板の変性による刺激によって 関節炎が生じます。
関節炎では、膝を曲げ伸ばししたときの痛み(動作時痛)や曲げ伸ばしの制限(可動域制限:が生じます。また、関節液が多量に分泌されて関節に「みず」がたまること(関節水腫)もありますが、関節内のヒアルロン酸は逆に減少します。 

 進行期の変形性膝関節症では、軟骨の磨耗がさらに進み関節の土台の骨(軟骨下骨)が露出したり骨棘といった骨そのものの変形が生じたりします。
この状態では、膝を動かしたり立って歩いたりするたびに硬い骨同士が直接ぶつかり合うため強い痛みを生じ、曲げ伸ばしの制限も高度となり、日常生活において大きな障害となります。
 
 鍼灸治療のメカリズム
変形性膝関節症患者の免疫細胞の増加で、炎症を抑え、消炎効果を発揮する。また、針刺激で、脳のエンドルフィンを増やし、脳のカテコールアミンは減らし、脳のモルヒネをも増やします。これら物質の作用によって、鎮痛効果を発揮し、血液中のカルシウムやニンの量を増やし、軟骨の成長と発育を促進し、破壊した関節内の軟骨を修復します。 
 当院の鍼灸治療法は弁証治療に基づき、プラス膝三針、とう氏奇穴の心門、心膝穴などの特効穴を運用します。変形性膝関節症患者37名、有効性(症状大幅に改善)見られるのは32名です。