「原因」と「誘因」

2024/02/28
 東洋医学の基本的な考え方として、病気には必ず「原因」と「誘因」があると考えます。これは、花粉症を例にとって説明をしますと、花粉が飛んできても、誰もが花粉症を発症するわけではありません。花粉はあくまでも「誘因」です。では花粉症の「原因」は何かというと、「気温差に影響を受けやすい体質」や「水分代謝の悪い体質」などが考えられます。
 こうした体質がなければ、どんなに花粉が飛んでも花粉症にはなりません。それゆえ花粉症を治したければ、症状が出ている時だけでなく、それ以外の時期でも「原因」を治していかなければなりません。別の言い方をすれば、花粉症の予防こそが治療になるということです。

 東洋医学は体質改善をすることを主としますし、その人にあった体質をカスタマイズし、判断していきます。鍼灸でも、ある人の花粉症を改善させたツボが、別の方に同じツボに鍼灸をしても治せるわけではありません。また、鍼灸で調子が良くなった方でも、受け続けている間に体質が変わり、ツボを変えていく場合があります。

 また、体質と味覚には密接な関係があります。自分が美味しいと思う味でも、他人にとってはそうでもなく、中には嫌いという人もいます。例えば、コーヒーを好きな人と苦手な人がいますが、それは慣れの問題ではありません。コーヒーは冷やす性質のものでなので、胃が冷えている人が飲むと気分が悪くなったり、吐き気をおぼえる方もいます。

 実際に、東洋医学で体質が変わってくると、味覚が変わり、今まで苦手だった食材が食べられるようになったりすることもあります。いろんな食材が美味しく食べられる体質作りをして、体調の「原因」と「誘因」を改善させましょう!🌸