変形性膝関節症なら、手術するしかないのか?

2024/04/11

 こんにちは、健康堂の冷です。最近来院される「変形性膝関節症」の患者さんに

「どこまでの症状なら鍼灸が効くのか?どこまでの症状なら手術しないといけないか?」よく聞かれます、これについてお話しできたらと思います。

変形性膝関節症とは 

変形性膝関節症の仕組みと膝に水が溜まる原因

変形性膝関節症とは、関節のクッションである軟骨が、加齢や筋肉量の低下などによりすり減って、痛みが生じる病気です。軟骨がすり減った分、膝関節の骨と骨のすき間が狭くなって内側の骨があらわになり、骨のへりにトゲのような突起物ができたり、骨が変形したりします。また、関節をおおっている関節包(かんせつほう)と呼ばれる繊維膜の内側に炎症が起こるため、黄色味がかった粘り気のある液体が分泌され、いわゆる「膝に水がたまった」状態になります。

症状

変形性膝関節症の主な症状は、膝の痛みや腫れです。関節に水(関節液)が溜まることもあります。

 

  • 初期には、立ち上がりや歩き始めなど膝を動かした時に生じる痛み(動作時痛)がありますが、休めば痛みがとれることがほとんどです。
  • 中期には、動作時痛の頻度が増えて、正座やしゃがみ込み、階段の昇り降りなどの動作が困難になり、膝の曲げ伸ばしもつらくなるなど膝関節の動きが制限されていきます(可動域制限)。
  • 末期には、膝が完全に曲がりきらない、ピンと伸びない状態が進んで歩行が困難になり、日常生活に支障をきたすようになります。また、膝関節の変形が目立ちO脚にもなります。

 

進行度分類

変形性膝関節症の進行度は、X線写真でみられるとげ状の骨(骨棘)、関節のすきまが狭くなること(関節裂隙狭小化)、軟骨の下にある骨が硬くなること(軟骨下骨硬化)などの所見にもとづいて、グレード0に分類されます。一般的に、グレード以上の場合に変形性膝関節症と診断されます。

 

変形性膝関節症の進行度分類 1)

  • グレード0:正常
  • グレード:骨棘の可能性、関節裂隙狭小化の疑い
  • グレード:明確な骨棘、関節裂隙狭小化の可能性
  • グレード:中等度で複数の骨棘、明確な関節裂隙狭小化、骨硬化、骨端部変形の可能性
  • グレード:大きな骨棘、著明な関節裂隙狭小化、高度の骨硬化、明確な骨端部変形



 

治療法

変形性膝関節症の治療目標は、痛みを軽減して膝関節機能の改善を図り、日常生活動作を低下させないことです。治療は、主に「保存療法」と「手術療法」に分けられます。
進行度にかかわらず、まず保存療法を行いますが、保存療法を行っても痛みが軽減せず日常生活に大きい支障をきたす場合には、手術療法が考慮されます。

保存療法

保存療法では「生活指導」を基本として、「運動療法」「薬物療法」「鍼灸」「手技療法」「装具療法」行います。

当院の治療の特徴

  1. 健康堂では、開業16年以来、数多くの変形性膝関節症の患者さんはご来院され、施術を通して、症状が改善されました。
    膝の疾患に対する治療法も当院が得意とする治療の一つです
  2. 手術しない独自な治療法。
    独自な鍼灸治療、トウ氏奇穴、奇経法を使い、効果の高いツボ刺激をすることにより筋肉や神経の働きが活発になり、血液の循環をよくすることになり、膝の痛の症状改善につながります。また鍼灸で自律神経のバランスを調整して、交感神経の異常による神経痛、関節痛にも効果を挙げられます。
    当院における鍼灸治療は東洋医学の脈診、腹診を行い、治療目標は体質を改善することによる根本原因の除去です。薬物治療のような対処療法ではありません。
    そのため、鍼灸治療で改善できた症状は再発しにくいのが特徴です。
    薬物治療により改善が見られない場合や症状を繰り返すような場合は当院の鍼灸治療をお勧めいたします。


  3. カウンセリングと自宅ケアはしっかり指導
    施術後の変化を確認頂き、お身体の状態や今後のアドバイスをさせていただきます。
    来院頻度や自宅でのケア方法、気になることなどを丁寧にお答えします。

 

鍼灸治療の適応ステージと限界

 

残念ながら、針灸治療はすべての変形性膝関節症の症状を改善できるわけではありません。私の臨床経験から、

初期(グレード0、グレードⅠ)    予後良好

中期(グレードⅡ グレードⅢの一部) 改善可能・生活の質がアップ

末期(グレードⅢの一部 グレードⅣ) 改善困難だが・痛み等一定緩和・手術適応

と目安してます

さらに、鍼灸では血流を促すことで、筋肉の緊張や痛みの緩和はできても、変形性膝関節症のようにすり減った軟骨を再生させたり、変形を元に戻すことができません。

ご来院検討される方は理解した上に、お問い合わせください。

 

                      健康堂 久我山院

                          西荻窪院


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引用元

 

「変形性膝関節症」日本臨床整形外科学会HP

学会誌vol44-No2_本文-29.indd 3/8ページ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsop/44/2/44_9/_pdf/-char/ja