突発性難聴は1ヶ月治らなかったら,諦めるしかないか?

こんばんは,健康堂の冷です。
最近新規の突発性難聴の患者さんからお電話の問い合わせの中,
「1か月治療してもまだ耳が聞こえづらい…もう治らないの?」のような不安を声はよく届きます。
このブログは、最新の研究データを基に、「本当に1か月で諦めるべきか」「いつまで治療を続ければいいのか」をわかりやすくお伝えします。
1. 突発性難聴ってどんな病気?
突発性難聴は、予兆なく耳の聞こえが悪くなる病気です。朝起きたら耳がよく聞こえなかった、電話の音が聞こえなくなったなど、突然症状が表れることがほとんどですが、数日かけて悪化することもあります。原因ははっきりとはわかっていませんが、音を感知して脳に伝える役割を担っている内耳のウイルス感染や血流循環障害ではないかといわれています。そのほか、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などが関係していると考えられています。
2. 病院の一般的な治療法
病院で行われる"標準的"な治療は、血液循環を良くすることを目的とした、ステロイドやビタミン剤などの薬物療法です。また、発症から2週間頃を境に、症状が固定化、つまり良くも悪くも変化しない状態になる傾向があるため、できる限り早く医療機関を受診し、治療を開始することが予後に影響すると言われています。
3. 継続治療の可能性
発症から1か月
早期治療(発症1~2週間以内)で1ヵ月以内の完全回復は3~5割(日本耳鼻咽喉科学会データ)。しかし、全ての人が1ヵ月で回復するわけではなく、回復の有無や程度はその人の体質や難聴の重症度、治療方法、発症後の経過などに関わります。
発症から2か月
この頃になると、脳が「聞こえにくいのが普通」と慣れ始めてしまうため、1か月目の人より回復ペースはゆっくりに。
耳鳴り・音のひずみ・割れが気になる方は、まだ聴力が戻る可能性が十分あります。
ここでしっかり鍼治療に取り組めば、変化を実感できる方が多いです。
発症から3か月
改善には時間がかかりますが、じわじわと聴力が上向くケースはたくさんあります。
当院はこの段階の患者さんに特殊の低周波治療と鍼灸治療は併用して,治療効果がまた高まります。
当院の鍼治療経験では、3~6ヵ月で聴力向上した症例複数。完全治癒は難しくても、少しでも改善を目指せます。病院で諦め気味でも、鍼という選択肢を知ってください。
4. 改善のエビデンス
• 早期例:2週間以内治療で回復率最高です。1ヵ月以内治療で40~60%が完全/部分回復が報告されてます。
• 遅延例:発症から2ヵ月を超えても回復が見られるケースも数多く報告されてます、3ヵ月は治療を続けることが推奨されています。
• 長期予後:改善の難易度は高くなります。6ヵ月以上経過しても聴力が改善しない場合は、治癒の可能性は低くなります。
最後に:諦めるのはまだ早い
「1か月でダメだったから…」と落ち込む必要はありません。
6か月までが治療の勝負どころです。
当院では、病院で「もう治らない」と言われた方でも、鍼で少しずつ改善した例を数多く見てきました。
仮に聴力は完全に取り戻せなくても、「生活が楽になる」ことは十分可能です。
まずは耳鼻科でしっかり診てもらいつつ、希望を捨てずに東洋医学も検討した上に治療を続けてみてください。
健康堂 久我山院
西荻窪院
併せて読みたい記事:
参考資料
<突発性難聴の診断と治療の新展開>
中川 隆之 京都大学大学院医学研究所
<Espinosa-Arce et al. (2024)>


