突発性難聴の治療において、耳鼻科のステロイド剤などと鍼灸を併用は、大丈夫か

こんばんは、健康堂の冷です。最近よく「突発性難聴の治療において、耳鼻科のステロイド剤や他の血流改善薬などと鍼灸治療を併用することは、大丈夫ですか」と聞かれます。
結論から申し上げますと、ステロイド等と「鍼灸治療」の併用は、問題ありません。むしろ、多くの難聴専門鍼灸院や臨床報告では「積極的に併用を推奨」しており、安全性が高いとされています。以下に詳しく説明します
1. 併用の安全性が高い主な理由
• 作用機序が重複・干渉しない
ステロイドは主に内耳の急性炎症を急速に抑える作用が強く、発症後早期(特に1週間以内)の第一選択薬です。一方、鍼灸は内耳・椎骨動脈周囲の血流改善、自律神経調整、ストレス軽減を目的とし、全身の自然治癒力を高めます。
これらは補完関係にあり、ステロイドの抗炎症効果と鍼灸の循環・神経調整効果が相乗的に働くケースが多く報告されています。薬理的な相互作用(禁忌や増強・減弱)はほとんど指摘されていません。
• 実際の臨床現場での併用例が多数
難聴専門をうたう鍼灸院の症例では、耳鼻科のステロイド治療中・治療後に並行して鍼灸を受け、聴力改善した病例もよくあります
例えば:
• ステロイド点滴中に鍼開始 → 発症1ヶ月でほぼ回復

• ステロイド無効例で鍼併用 → 低音部が正常値近くまで改善
• 入院中のステロイドパルス療法と同時期に鍼 → 後遺症軽減
これらは「ステロイドだけでは不十分だった」ケースで鍼が追加的に効いたパターンが多く、併用で回復率が向上した印象です。
• 副作用のリスクが低い
鍼灸自体は侵襲が少なく、適切な衛生管理下で行えば感染リスクは極めて低いです。全日本鍼灸学会のガイドラインでも、ステロイド服用者(易感染性が高い場合)を特別に禁忌とはしていませんが、皮膚の衛生・刺鍼部位の選定に注意を促しています。
ステロイドの副作用(血糖上昇、免疫低下など)と鍼灸の相互作用は報告されていません。むしろ、鍼灸がストレスや自律神経の乱れを整えることで、ステロイドの副作用(イライラ・不眠など)を軽減する可能性もあります。
2. 併用時の注意点(患者さん側が気をつけること)
• タイミング:発症後できるだけ早く(理想は1週間以内)併用開始。ステロイドの効果がピークを迎える時期に鍼灸で血流をサポートすると相乗効果が高いです。
• 頻度:初期は週3〜4回(1〜2日おき)が一般的。ステロイド減量期に間隔を広げつつ継続。
• 医師とのコミュニケーション:耳鼻科の主治医に「鍼灸を併用している」と伝えておく。聴力検査のタイミングを合わせて評価してもらうと安心です。
• 一時的な変化:鍼初回後に耳鳴り・閉塞感が強くなる「好転反応」が稀にあり、不安になる人がいますが、数日で落ち着くことがほとんど。心配ならすぐに鍼灸師に相談を。
• 禁忌・注意ケース:重度の糖尿病・高度の免疫抑制状態では刺鍼部位を制限する場合があるので、事前に体調を詳しく伝えてください。
最後になりますが、突発性難聴は「時間との勝負」です、ステロイド+鍼灸の併用は多くの現場で安全かつ有効と実践されており、相乗効果を期待できる組み合わせです。特にステロイドで改善が不十分・遅い場合、または副作用が気になる場合に鍼灸が有力な選択肢になります。
ご不安があれば、耳鼻科の医師や鍼灸師に直接相談するのが一番です。早期介入で良い結果が出やすい疾患なので、諦めずに取り組んでいただければと思います。
健康堂 久我山院
西荻窪院
引用:日本鍼灸学会のガイドライン
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