PPPD (持続性知覚性姿勢誘発めまい)は鍼灸治療で良くなるの?

PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)は、2017年に国際的に定義された比較的新しい慢性めまい疾患です。急性めまい(例: BPPV、前庭神経炎、メニエール病など)の後や強いストレス後に、3ヶ月以上ほぼ毎日続く非回転性のふわふわしためまい・不安定感が特徴で、日本でも慢性めまいの約40%を占めると言われています。特に30〜50代女性に多く、日常生活(仕事・外出)が大きく制限されることがあります、不安傾向が強い、几帳面な性格の人に多く、心理的要因が発症・遷延に関与します。
メカニズム
急性期のめまいに対し、脳は本来「前庭系」に頼るべき姿勢制御を、視覚情報や体性感覚(足裏の感覚など)に過度に依存する代償戦略へ切り替えます。この代償が急性期を過ぎても固定化されてしまうことがPPPDの本質です。
具体的には、視覚野と前庭皮質のネットワーク間の機能的結合異常、多感覚統合の低下、不安に関わる大脳辺縁系(扁桃体など)の過活動が神経画像研究で示されています。人混みや動く視覚刺激(電車の窓、スーパーの陳列棚)、精密な視作業などで症状が悪化しやすいのはこのためです。自律神経系の乱れ(交感神経優位)も症状を増悪させます。
鍼灸治療が効く理由
鍼灸治療は複数の経路でPPPDに働きかけます。
次は健康堂での治療症例も紹介します。
症例1:50代女性、事務職
主訴:半年前に前庭神経炎発症後、めまいは改善したが「ふわふわ感」「地面が揺れる感覚」が持続。スーパーの照明やパソコン作業で悪化。
所見:頸部(特に後頭下筋群)の著明な緊張、肩こり、不安感強く、睡眠の質低下。舌質淡紅・苔薄白、脈弦細。
治療:頸部緊張緩和と自律神経調整。肝の疏泄機能を促進。週2回、8週間継続。
経過:3回目あたりから頸部の軽さを自覚。6週目でスーパーでの症状軽減。8週目には日常生活での支障がほぼ消失。
症例2:30代女性、パニック発作既往
主訴:パニック発作後にふらつき感が慢性化。人混みで著明に悪化し、外出を避けるようになっていた。
治療:自律神経調整を中心に、肝虚の証に合わせ配穴。心理的サポートを兼ねた対話も重視。
経過:週2回、10週間の治療で外出時の不安・めまい感が軽減し、社会復帰が可能に。
最後、PPPDは比較的に新しい疾患で、鍼灸治療の有効性を完全に証明できるビックデータがまだないですが、当院の経験上、PPPDの症状に対し、頸部の緊張緩和、自律神経調整、内耳循環改善、精神安定を組み合わせた総合的アプローチで多数な患者さんは改善が見られました。
鍼灸治療で軽減される可能性が考えられます。
めまいも含め、PPPDに悩まれる方は気軽にお問い合わせください。
健康堂 久我山院
西荻窪院
